「プルアップ抵抗」の用語解説
- ICへの信号入力につかう「プルアップ回路」に必要だよ
- 信号用の電源と、ICの入力ピンの間に入れるよ
- 回路が浮かない(フローティングしない)ようにするよ
一言でいうと
プルアップ抵抗とは
信号の出力や入力を安定させるために使われる抵抗のひとつ
であり
そのうち、電源に接続する(プルアップする)ために使われる抵抗
のことです。

詳しい説明
電子回路でデジタル信号をやりとりする時のことを考えてみてください。
いろいろ方法はありますが、いちばん簡単なのは、電源の電圧をハイ、GND(0V)をローとして表現するやり方です。

これを回路図で作る場合、だいたいこんな感じで2種類の回路のどっちかになります。

このうち、電源に抵抗がつながって、入力にはいっているほうの回路を「プルアップ回路」とよび、
そこで使っている抵抗を「プルアップ抵抗」とよびます。
理解しやすくなるように、プルアップ回路からもう少し詳しく話していきましょう。
プルアップ回路は、だいたいICの信号入力ピンにつながっていますが、このICの内部には数MΩとかの高抵抗が入っています。

これは、入力ピンにできるだけ余計な電流が流れないようにするよう、決められています。
なので、信号入力ピンにはほとんど電流が流れない、とみなせます。
すると、スイッチがOFFの時は信号入力ピンの電圧はVCCになります。
一方で、スイッチがONになると信号入力ピンはGNDに接続されるので、0Vになります。
そのため、スイッチをカチカチ高速でオンオフすれば、100110110・・・というように、デジタル信号が入力できるというわけです。
では、本題であるプルアップ抵抗はなんで必要なのでしょうか。
まず、ここまで書いたプルアップ回路なら、プルアップ抵抗がないと電源とGNDがショートするのはわかりますよね。
ただ、それなら
「そもそもGNDにつながなくても、直接電源と信号入力ピンの間にスイッチ入れちゃえばいいじゃん!」
って思った人もいると思います。

こうすれば、プルアップ抵抗もいらないように見えますよね。
ただ、実はこの方法にすると大きな問題がひとつ出てきます。
それが「回路が浮いちゃうこと(フローティングすること)」です。
この回路だと、スイッチがオンされている時はいいんですが、
スイッチがオフされると、信号入力ピンがどこにもつながっていない状態になります。
回路図的には問題ないように見えるのですが、電磁波によるノイズが入ると浮いている部分はノイズが逃げられなくなります。
実際にEMC試験とかをすると分かるのですが、ノイズで電圧がめちゃくちゃに変化しちゃうので、ICが壊れたり周囲にノイズをばらまいたりと、えらいことになります。
なので、回路が浮かないようにするために、プルアップ抵抗はないとダメなんですね。

最後にまとめるよ
つまり「プルアップ抵抗」という名前を聞いたら、「信号入力の所で、回路が浮かないように入れる抵抗のことなんだな~」と思っておいてください。
