「アートワーク」の用語解説
- 電気業界の「アートワーク」のことを解説するよ
- プリント基板を作るときに必要な図面のことだよ
- 銅箔パターンや部品の位置がわかるよ
一言でいうと
アートワークとは
プリント基板の配線や、部品の配置を設計した図面
のことです。

詳しい説明
電子回路を設計する時の流れから説明していきましょう。
電子回路とは、いろんな電子部品(素子)を選んで、つなぎ合わせることで作ります。
このとき「どんな部品を選んでどんなふうにつないだか」が分かるように、回路図をカキカキします。

回路図ができたら「どんな部品を使って、どんな機能・性能をもった製品を作るか」が分かるわけです。
ただ、この回路図があれば電子回路の製品が作れるか、というとそう簡単にはいきません。
なぜなら、製品にするには「回路図をどうやってプリント基板上に実現するか」を考えなければならないからです。
そして、この回路図をプリント基板に実現するための設計を「基板設計」といい、基板設計で作った図面のことを「アートワーク」と呼びます。

アートワークは、大まかにいうと部品をくっつけるパッドと、パッド同士をつなげるパターンで作られます。
あと、プリント基板はだいたい4層とか6層とかの積層構造になっているので、それぞれの層をつなぐビアも必要です。

それだけだと簡単に思えるのですが、実はけっこういろんなことに気を付けて設計しないと、あとでえらいことになります。
たとえば、
・となりあったパターン同士が干渉してしまって、信号品質が下がった
・ちょっとパターン形状を変えたら電波ノイズへの耐性が下がって誤動作した
・パッドの形が悪くて部品が取れた
なんてことが結構よく起きます。
なので、基板設計屋さんは問題がおきないように、細かいところまで気を付けてアートワークを設計してくれているんですね。

最後にまとめるよ
つまり「アートワーク」という名前を聞いたら、「回路図をプリント基板上に作るための図面のことなんだな~」と思っておいてください。
